【コラム】この国の主は誰ですか=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.12.01 15:01
大韓民国は血も涙もない国になってしまった。デモの途中に警察が発した放水銃を受けて重体となった69歳の男性が17日間も生死の境をさまよっているにもかかわらず、政府は謝罪どころか慰めの一言もしない。いくら違法暴力デモに関連したとはいえ、彼も大韓民国の国民だ。放水銃は暴力デモ隊を解散させるのに使用するものであり、非武装状態の高齢者を照準直射するためにあるのではない。放水銃の使用守則をきちんと守らなかった警察の責任を問うべきだが、政府はデモの暴力性を浮き彫りにすることに没頭している。
私は民主主義に対する朴大統領の認識に深刻な問題があると考える。自分を支持するかどうかに関係なく、大統領は全国民の大統領だ。しかし今、朴大統領は自分と考えが違う人たちを反政府、反国家、反体制勢力として烙印を押し、排撃するのに没頭している感じだ。覆面をかぶって暴力デモをする人たちも大韓民国の国民だ。どうすればこの人たちをイスラム国(IS)のテロリストに例えることができるのだろうか。いま朴大統領がしているのは統合と包容の政治ではなく、分裂と排除の政治だ。