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【コラム】麻薬清浄国ゆえにより良い大韓民国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.11.12 10:47
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外国人が韓国で最も印象深いのが、まさに治安だ。夜遅く歩き回っても何の問題もない国というのはあまりない。経済協力開発機構(OECD)の「より良い人生の指数(Better Life Index)」のようなものを見ても、韓国は常に最も安全な上位5カ国に入るほどだ。麻薬使用率が非常に低いことが重要な要因として作用したものとみられる。

欧州では麻薬が19世紀から広がったくらいに根が深い。今はイタリアをはじめ多くの国で違法だが依然としてありふれた方だ。それで、韓国には麻薬に関する社会イシューがないだけでなく多くの人が麻薬を使うどころか見たこともないという事実に驚くほどだった。さらに麻薬について言及することさえタブーだという事実も珍しかった。国連麻薬犯罪事務所によれば大麻草の使用率はイタリアが14.6%、韓国は0.29%であり、コカイン使用率はイタリア2.2%、韓国は0.03%であった。韓国は麻薬清浄国というわけだ。

 
麻薬について初めて聞いたのは高校生の頃に文化・芸術・音楽に関心が生まれながらだった。すると好きな詩人ランボーやボードレールがアヘンを吸っていたし、尊敬する作家ジャン=ポール・サルトルやアレン・ギンズバーグは作品の中で麻薬についてしばしば言及していた。歌手ボブ・マーリーは大麻草を吸い、ビートルズの曲『Lucy in the Sky with Diamonds』は題名の略字が麻薬のLSDを連想させるという理由で禁止されたりもした。

麻薬を神秘的に描写する人もいる。だがイタリアで中毒者を直接目撃した経験によれば、ランボーの詩やボブ・マーリーの歌とは完全に違っていた。中毒者たちはいつでもどこでも、そわそわして不安な様子だった。麻薬だけにお金をつぎ込んでいたら正常な生活は不可能なほどであった。外食や映画どころか友人と共にビールも1杯飲むことができなかった。麻薬を買うお金を用意するために犯罪に手を出す人もいた。私は科学者や医師ではないので麻薬の危険性・中毒性を正確に話すことはできない。だがイタリアで経験したこうした事例を見れば、麻薬はお金と時間の浪費、肉体的・心理的苦痛、友人・家族への迷惑など短所や問題点だらけだと思われる。

欧州と米国では麻薬使用者が多く、国家予算を投入してこれを根絶すべきか、でなければ最初から合法化して違法取引を減らし税金を徴収するのがより良いのかをめぐって社会的論争が続いている。韓国は麻薬に開放的だったのがこうした状況にまでなった西洋の失敗から学び、清浄国の地位を守り続けたら良いと思う。

アルベルト・モンディJTBC「非首脳会談」出演者

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