【コラム】太平洋ヘゲモニーとしてのTPP体制=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.11.10 15:18
米国は日本を抱え込み、韓国は日本と遠ざかる。韓国と日本の関係が疎遠になるのは自然な面もある。北東アジアの分業構造は日本→韓国→中国へと流れた。日本は韓国に対し貿易黒字であり、韓国は中国に対して黒字だ。米国を国際経済のルール制定者にしたのは米軍の海兵隊ではなく米国の巨大な貿易赤字だ。何かを購入する力すなわち赤字に耐え抜く力が規則をつくり出す。ローマも大英帝国も中国もそうだった。中国はしかもインフレ通貨すなわち銀貨を使わなければならないほど貿易赤字に苦しめられた。
韓国が日本に大声を上げ、中国に弱気なのも貿易構造のためだ。もちろん2000年の弱小国の追憶や近代の記憶も作用しているだろう。しかし基本的な力は「買ってくれる力」だ。中国の欲求が覇権的に見えるのは、貿易で暮らす開発途上国が外交で大声まで上げてみるという露骨な欲望を隠さないからだ。いずれにせよ今の貿易構造が持続するならば韓日関係の回復は難しい。