<ノーベル賞の話>ノーベル賞を受賞しようとするなら(1)個人よりインフラに優先投資=韓国(中)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.11.03 10:08
政府やメディアは科学界でも「スター」が好きだ。スターはほとんどが有名な国際学術誌に結果を発表しながら登場する。こうした学術誌に成果が掲載されるほどなら何か良いことなのだろうと思う。問題点は、それがどんな内容なのか、科学にどんな影響を及ぼすのか、実用の可能性はあるのかについての分析がほとんどないということだ。方向性がないまま優秀学術誌に論文を出す個人への支援が約20年間続いた。そうするうちに韓国の科学技術界は大きなあらすじはなく、さまざまな仕事をする雑貨店だけが並ぶような局面になってしまった。費用対生産性が非常に低く、ちゃんとした成果を出せない背景だ。
個人を目立たせば良いニュースの種になるだろうが、科学界に及ぼす影響はわずかで危険なほどだ。極端なケースだが、黄禹錫(ファン・ウソク)1人が崩れると胚芽幹細胞に対する支援そのものが消えた事例を見れば分かる。スター依存性の最も大きな原因は、政府や科学界さえ、どの分野がより重要で、またどの分野には少し後で投資するのかを自信を持って言える人がほとんどいないためだ。こうした状況で優先順位を決めるのは政治的に負担になると、安易な方法を選ぶことになったのだ。