【時視各角】ショパン・コンクールとノーベル賞は土着の力=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.27 09:48
今年のショパン国際コンクールでチョ・ソンジンは圧倒的勝者だった。「優勝者であり金メダルは…」という最後のコメントにも、わざと1人だけ分からない表情だった。2位のアムランをはじめとする全員の注目がチョ・ソンジンに向いた。文句なしに優勝を認めるという意味だ。今回のコンクールの最大の犠牲者はフランスの審査委員フィリップ・アントルモンだ。彼は17人の審査委員のうち唯一チョ・ソンインにだけ注文をつけ、決選では最低の1点(満点10点)を与えた。こうした「点数テロ」は、彼の「個人的芸術の好み」で笑い流すことではない。
巨匠が、卓越した人材をひと目で分かるのがショパン・コンクールの輝かしい伝統だった。1960年にはポルーリニが全員一致で優勝した。20世紀最高のピアニストであり審査委員だったルービンシュタインは「果たして私が君ほどの演奏をすることができるだろうか」と感心した。75年にはツィメルマンが優勝と部門別の賞をさらった。彼のもとに中国のユンディ・リが訪ねて行って弟子にしてほしいと懇請した。ツィメルモアンはたった1曲だけ聞いた後「教えることがない」と言って丁重に送り返した。ユンディ・リは2000年、全員一致で優勝した。今回も歴代優勝者出身のアルゲリッチ(65年)、ダン・タイ・ソン(80年)、ユンディ・リ(2000年)の審査委員はチョ・ソンジンに最高点を与えた。これに逆行したアントルマンがさんざん恥をかいた。