【コラム】南北統一の大前提は米中平和関係だ(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.23 16:23
心配を帯びた予想とは違い、金正恩(キム・ジョンウン)は10月10日の北朝鮮労働党創建70周年記念日前後に核実験もミサイル発射もしなかった。党創建記念閲兵式に中国共産党序列5位の劉雲山が出席したのが特に視線を引いた。金正恩が劉雲山をそばに置いて絶えず言葉を交わす姿は、6カ国協議の中断、2013年2月の3度目の核実験後に冷え込んだ朝中関係がようやく解氷を迎えるよい信号に見えた。朝中関係が良くなってこそ北朝鮮の挑発行為は減る。
北朝鮮パワーエリートの亡命説が相次いでいる。執権4年目を迎えた金正恩の統治機械のネジが緩んでいるとみられる。こうした国内の事情を考えると、金正恩は核・ミサイル試験と発射の派手な花火で党創建記念行事を飾り、権力層の結束を固め、国民には最高指導者としての健在を誇示する必要が切実だった。それでも彼はそうしなかった。
なぜだろうか。答えは北京とワシントンにある。特に北京だ。中国国家主席の習近平が9月25日、ワシントンでオバマ米大統領に会った。2人は北朝鮮の核とミサイルを緊急議題として議論した。それは、労働党創建70周年に核・ミサイル試験で周辺国だけでなく国際社会を挑発するなという高強度の警告メッセージだった。オバマ-習近平会談でオバマが「中国が北朝鮮の核・ミサイル挑発を総力で牽制してほしい」と要請したことは察するに難くない。ホワイトハウス安保補佐官のスーザン・ライスも9月21日にジョージ・ワシントン大学で演説し、中国が北朝鮮に行使できる影響力の大きさを強調した。当然それも中国に対する「北朝鮮を牽制してほしい」という注文だった。その2日前の9月19日、中国の王毅外相も9・19共同声明発表記念セミナーで、6カ国協議参加国は国連憲章と国連決議を履行する義務があると強調した。これも北朝鮮に対する警告のメッセージだった。