【コラム】米中ルールゲームTPP、時間はだれの味方か(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.12 11:00
一帯一路は「東方から締め付けてくる米国の経済包囲網を避け西方に走ろう」という趣旨が含まれている。資源が豊富な中央アジア、インフラ建設需要が多い東南アジア、先進技術を持つ欧州などが対象だ。年末に正式に発足するアジアインフラ投資銀行(AIIB)を基に中国主導の経済圏を作るというのが彼らの構想だ。そうした一方、東方では域内包括的経済連携協定(RCEP)に力を入れる。TPPの対抗馬を育てるものだ。「西方は一帯一路で、東方はRCEPで」という中国の反TPPの動きはスピードを増している。
また別の選択は「オバマルール」に順応することだ。西側のシステムの中で成長してきた中国はTPPからただ目を背けてはいられない状況だ。オバマ大統領の意図通りに米国・欧州間の環大西洋貿易投資パートナーシップ協定(TTIP)が締結されるなら中国としては耐え難い“仲間はずれ”の境遇に直面するためだ。北京の一角では「WTO加入で効果を得たようにTPPにも挑戦してみる必要がある」という声が出ている。しかし障壁は高い。知的財産権、環境、情報流通などは改善の余地があるが、労働や国有企業などは体制と関連したもので受け入れるのは容易でない。さらに果敢な市場親和的改革が必要という話だ。著名な中国経済専門家であるピーターソン研究所のニコラス・ラディ教授はメディア寄稿文で、「上海の『自由貿易実験区』に注目する必要がある。TPPが要求するルールは中国にまったくなじみのないものではない」と分析する。時間は米国の味方、中国も結局TPPの扉を叩くだろうという分析だ。