【噴水台】悲しい世界文化遺産=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.07.13 07:41
英国中西部の港町リバプール。今はビートルズの故郷というのが唯一の誇りの都市に転落したが、以前は違った。アフリカと新大陸をつなぐ三角貿易地で、欧州物流量の40%がここを経由した。19世紀にはロンドンより裕福な都市であり「大英帝国はリバプールのおかげで可能だった」ともいわれた。「アメリカンドリーム」を夢見た米国移民者の最大出発地も、超豪華遊覧船タイタニック号が出発した港もここだった。そのリバプールは1970年代から没落する。支えだった造船業がすっかり滅びたうえ、植民地までが次々と独立し、三角貿易も消えていった。
光栄は消えても歴史は残るものだ。経済難に苦しんだリバプール市は豊かな観光資源で復活を狙う。2004年、ユネスコに248ページにのぼる膨大な世界文化遺産申請書を出した。この時、市当局は「リバプールが世界奴隷貿易の最大の中心地だった」という恥ずかしい過去を一つ一つ明らかにした。明治近代産業施設を世界文化遺産として申請し、朝鮮人強制労働の事実をあえて隠そうとする日本とはあまりにも違った。結局、リバプール海洋貿易都市施設は同年、世界文化遺産に登録され、採択の理由書には奴隷貿易の中心地だったという内容も入った。