昨年１２月２日、東京のあるホテルで佐々木主浩（４７）のための野球人パーティーが開かれた。日米通算３８１セーブをマークした「大魔神」佐々木の野球殿堂入りを祝ったのだ。「ミスターベースボール」長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督（７９）、「世界の本塁打王」王貞治ソフトバンク・ホークス会長（７５）らが出席した。

数人の貴賓の中で真っ先に呼称されたのはイチロー（４２）だった。場内がざわついた。そうそうたる先輩たちがいる中で真っ先に紹介されたからではなかった。イチローが行事場所に現れたことへの驚きだった。イチローは佐々木に記念バットを贈り、急いで行事場所を抜けた。イチローがいた時間はわずか１分。イチローと佐々木は２００１－０３年、メジャーリーグ（ＭＬＢ）シアトル・マリナーズで一緒にプレーしたため、１分でも会うことができたのだ。

イチローはそのように新年を準備していた。昨年ニューヨーク・ヤンキースとの契約が終わったが、引退は考えなかった。イチローは２４日、マイアミ・マーリンズと年俸２００万ドルで契約した。ＭＬＢ経験が全くない姜正浩（カン・ジョンホ、２８、ピッツバーグ）の契約条件（４年１１００万ドル）より低い。ＭＬＢで２８４４安打を記録中のイチローは控えの外野手としてプレーする見込みだ。名声を考えるとみすぼらしい契約内容だが、喜んで受け入れた。

イチローは「夢が近づけば夢が変わる」と話す。夢のような記録を数え切れないほど達成したイチローの残りの目標はヒット１５６本を追加してＭＬＢ通算３０００本安打を達成することだ。ＭＬＢ史上３０００本安打を突破した打者は２８人。さらにイチローは日本で１２７８安打を放った。日米記録を加えると４１２２安打となる。ＭＬＢ通算安打記録（４２５６本）はピート・ローズ（７４）が持つ。イチローがＭＬＢ３０００本安打を達成すれば日米通算記録は４２７８安打となる。ＭＬＢ公式記録ではないが、イチローは「世界で最も多くの安打を打った選手」となる。

イチローを眺める韓国ファンの視線はよくない。シアトル時代に右翼手のポジションにこだわり、秋信守（チュ・シンス、３３、テキサス）のトレードにつながった。２００６年ＷＢＣ（ワールド・ベースボール・クラシック）では「（韓国が）向こう３０年間、日本に手を出せないなという感じで勝ちたい」と発言した。２００９年のＷＢＣ決勝では韓国を相手に痛恨の決勝打を放った。日本人もイチローに人間的な魅力を感じているのではない。しかし２０年間チャンピオンであると同時に挑戦者だったイチローの努力と情熱に敬意を抱いている。凄じいパワーヒッターが並ぶＭＬＢでイチローがヒットを打ち続けるのは日本人の大きな誇りだった。


＜大リーグ＞控えでもよい…メジャー３０００本安打、イチローの挑戦（２）