【中央時評】韓国政治の止められない「統一忘却症」(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.12.04 11:59
市場経済への体制履行期の間、ある国家の国民所得は15%前後減少した一方、別の国家は40%以上減少した。このように経済成果の差が広がった理由の1つが経済主体の間の距離(distance)だ。距離が遠ければ、情報の非対称性が増加して経済効率性の核心である意志決定と行動の調整が大変なためだ。世宗市への移転によって青瓦台(チョンワデ、大統領府)、国会と行政部署の間の距離が長くなっただけ統一コストも増加するだろう。そして統一が急進的に成立するほど世宗市移転によってもたらされた統一コストははるかに高まり、数百兆ウォン以上を浪費しなければならない恐れもある。
政治家の統一忘却症の第3弾は、普遍的無償福祉だ。韓国の社会安全網(セーフティネット)が拡大して福祉制度が先進化されるのは望ましいことだ。しかし韓国政治は、福祉制度を悪い福祉にするのに熱心だった。無償給食と大学の半額登録金(授業料)がその例だ。多分、政治家たちは統一韓国全体に無償給食や半額登録金を施行できるのか考えてみなかったのだろう。むしろ韓国地域には選別的な給食をしてこそ北朝鮮地域に最も基礎的な社会安全網の構築も可能だろう。そして十分に食事ができない北朝鮮住民を放置して大学の登録料を一括的に引き下げるのは財政支出の優先順位を大きく誤るものだ。それだけでなく社会主義的な平等意識になじんだ北朝鮮住民の労働意欲を培うためには、選別的福祉が望ましいこともある。