【コラム】奪われ奪った2つの仏像の運命=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.11.18 14:34
「多事多難」という常套句がメディアを飾る時期が戻ってきた。どの年よりも出来事が多く、困難にあふれた甲午年だった。年末の新聞・放送を飾る「10大事件」の選定は難問になるようだ。
文化遺産分野も、苦難や宿題が解けないまま年越しを迎えようとしている。代表事例が2年前に韓国人の文化財窃盗団が日本から盗んできた仏像2点の処理だ。事件発生から2年を越えても解決法がなく、ぐるぐると回っている。文化財領域に限ったことではなく韓日間の長年の感情のわだかまりが積み重なった外交問題なので、さらに難しい。
事件は2012年10月6日に発生した。韓国の窃盗団が日本の対馬にある海神神社の屋根から入って9世紀の統一新羅の銅造如来立像を、近くの観音寺からは14世紀高麗後期の金銅観音菩薩座像を盗み出した。それぞれ日本の国指定重要文化財と県指定文化財だ。釜山(プサン)税関を無事に通過した窃盗団は、事態が落ち着くまで隠しておく慣行を無視して10月下旬から20億ウォン、15億ウォンと言いながら仏像の購入者を探しに出た。仏像を盗まれた寺から申告を受けた日本の警察は12月17日、韓国の警察に捜査協力要請をして、窃盗団は22日に検挙された。馬山(マサン)倉庫に回収された仏像2点は現在、大田(テジョン)国立文化財研究所の考古室収蔵庫で検察の「接近禁止」の札が張られたまま保管されている。