【コラム】国家を信じて生きなければいけないのか=韓国(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.11.04 16:01
幸か不幸かは知らないが、こうした国家の無気力症は大韓民国だけの問題ではない。世界最強の米国が世界最高の経済力と軍事力を持って自国のこともまともにできない姿を、我々は幾度となく目撃している。欧州の2人の社会学者ジグムント・バウマンとカルロ・ボルドニが書いた『危機の国家』はまさにこうした姿の国家を眺めていて、関心を引く。
2人は今日の国家は国境の外は言うまでもなく、国境の中で生じる問題を解決する能力を喪失した状態だという意見を出している。国家が危機を管理するために持つべき2つの条件は権力と政治だ。権力は事態を処理する能力であり、政治は状況を判断する能力だ。ところが国家は政治の統制を受けない超国家的な勢力(グローバル金融資本や多国籍企業など)に自らの権力を持続的に奪われてきた。今日の国家の危機はこのように権力と政治が分離する状況から発生し、危機に対抗する荷を個人に転嫁し、自らはいかなる責任も負わない「国家なき国家(state without a state)」になってしまったということだ。