【コラム】日帝強占期に韓国の宝を死守した澗松の後継者を探せ(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.07.29 13:26
骨董は、お金と権力に従うという意味で妓生(キーセン、芸者)と同じだという昔話がある。文化財級の古美術品が主に金持ちと権力者の周辺に流れていた事実を遠回しに言った話だ。韓国文化財5000年の苦難の経歴は、お金もうけと力自慢にとどまらなかった。外勢侵略と日帝強制占領、朝鮮戦争という歴史的激変を体験して、か弱いその命を保存するのにありったけの力を込めなければならなかった。
5月に日本から韓国に戻って今月15日に国立中央博物館で初公開された高麗の螺鈿経箱は、そうやって生き残った名品中の1点だ。900年余りの歳月をかけて帰郷した経箱は、惜しいことに日本の所有者が急いで補修したために、経を保管していた箱の全面に装飾された牡丹唐草文や連珠文など繊細な模様がすり切れて漆に覆われてしまった状態なのが残念だった。それでも国が大変な時にその危機を信仰の力で克服しようとした高麗の国の品格が光輝くような逸品だった。今、私たちに数百年を飛び越える、あのような光があるのかと胸がときめいた。国家が憂いと災難に陥った時に国民を1つの心にしたあの気勢が、文化の力ではないかと思った。