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【取材日記】セウォル号沈没事件前に戻った情けない韓国国会

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.07.16 09:11
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15日、韓国の国会本庁の前では笑えない風景が広がっていた。旅客船セウォル号遺族が「セウォル号特別法」の制定を求めて出入口の前で座り込み断食をしていたが、その階段の下では17日に予定された憲法記念日の記念公開音楽会収録のための舞台工事が行われていた。新政治民主連合側は「断食する遺族の前で風楽を奏でるというのは常識に外れている」と反発した。結局、公開音楽会収録は無期限延期になった。なぜこのようなあきれたことが繰り広げられたのか。

発端はこうだ。与野党院内指導部は今月10日、朴槿恵(パク・クネ)大統領との会合を通じてセウォル号後続措置のための「セウォル号特別法」を16日の本会議で処理することに合意した。両党政策委議長は11日、「セウォル号事件の調査および補償に関する早期立法TF(タスクフォース)」を組織して交渉に入った。しかし与野党が平行線をたどり16日の本会議処理は事実上失敗に終わった。変化した国会の姿を期待していたセウォル号遺族は特別法を約束どおり処理すべきだとして14日から座り込み断食に入った。結局、セウォル号特別法をめぐる与野党間のにらみあいが公開音楽会の中止につながったと言える。

 
核心の争点はセウォル号真相調査委員会に捜査権を付与するかどうかだ。

新政治連合は、真相究明のためには調査委員会に特別司法警察権限を持つ調査官を置かなければなければならないと主張している。半面、セヌリ党は「真相調査委に捜査権を与えるのは刑法体系の根幹から外れるもの」として受け入れ不可の立場を取っている。

間延びしたような交渉が続くと、与野党は互いに責任転嫁に忙しかった。セヌリ党の尹永碩(ユン・ヨンソク)院内報道官は「新政治連合はセウォル号特別法立法の遅延責任がすべてセヌリ党にあるかのように真実を糊塗している」と批判した。新政治連合の韓貞愛(ハン・ジョンエ)報道官も「セウォル号特別法まで無力化させようとするセヌリ党が、ついこの間まで頭のてっぺんからつま先まで変えると豪語していた党かと疑う」と対抗した。TFに参加したある議員は「与野党指導部が議員と協議せずに処理期限を固定化させたために交渉を余計にややこしくさせた」と話し、指導部の無責任な決定を批判した。

これを見るに耐えない遺族が動いた。セウォル号家族対策委は同日、鄭義和(チョン・ウィファ)国会議長に会ってセウォル号特別法制定を促す350万人分の署名用紙を手渡した。安山檀園(ダンウォン)高等学校2学年の生徒も同日、学校の前から国会議事堂まで徒歩行進を始めた。国会議員はこの生徒の前でどんな言葉をかけられるというのだろうか。

政治家はこれまで口癖のように「セウォル号惨事前後では違った国会を作る」と公言していた。しかし政界は国民の前でした約束を自ら破ってしまった。国会の時計は依然として4月16日以前のままで止まっている。

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    【取材日記】セウォル号沈没事件前に戻った情けない韓国国会

    2014.07.16 09:11
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    旅客船セウォル号惨事の犠牲者遺族代表が15日午後、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会議長室を訪れて鄭義和(チョン・ウィファ)議長(右)に国民350万1266人が署名した「4・16セウォル号惨事特別法」制定のための署名用紙を手渡している。
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