【コラム】国家改造と権力赤字運営=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.12 13:10
朴槿恵(パク・クネ)政権は韓国の発展過程が残したあまりに多く重い課題を背負ってスタートした。すでに指摘した通り87年体制の民主主義制度化実験は5人の大統領と6期の国会を経て特別な成果はなくその限界点だけを赤裸々に露出した。一世代にわたる高度成長のおかげで先進国入りをうかがうことになったが貧富格差の深化、理念の二極化などで現れた社会分裂の症状は全国民が共有する危機感を呼び起こし、2012年の大統領選挙の主題を経済民主化と福祉社会建設に圧縮するに至った。しかしこの1年余りの韓国政治はそうした時代的課題を民主的に解決していく上で極度に力不足であることを確認しているだけだ。そうした中で直面することになったセウォル号沈没の衝撃で果たして今の危険社会が安全社会へと簡単に転換できるだろうかという懐疑を感じるのも事実だが、反面ではこれに対し今回の悲劇を人間中心の民主共同体を作り出す社会改造の契機にしなければならないという国民的決意も拡散する雰囲気だ。
国家改造は社会統合とともに推進される時にだけ成功できる。「安全」と「公正」を優先目標として指向し、「危険」と「不正」から果敢に脱皮する人間中心の共同体を建設するには若い世代をはじめとする大多数の国民の自発的参加が必要だ。国民との対話、国民間の対話、すなわち対話を通したコミュニケーションの時代が扉を開けてこそ可能になることだ。国民の安全を担保するなら反暴力文化、特に校内暴力と女性暴行を反共同体的犯行として峻厳に治めるべきで、ささいな違法行為を軽く見てやり過ごす不法の放任に終止符を打たなければならない。一言で正直に約束を守る市民共同体だけが人間安保を担保できるものだ。