後進国型安全事故はいつまで…絶えず続く産業現場の災害=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.12 11:12
今月9日午前5時10分ごろ、慶尚北道浦項(キョンサンブクド・ポハン)にあるポスコ浦項製鉄所第2高炉で定期修理作業中に爆発事故が起きた。この事故で設備保守専門業者の作業員ら5人が負傷した。だが、ポスコの安全担当者は定期巡回中のため事故現場にいなかった。ポスコ側は「設備保守業務はポスコ建設の担当」と釈明した。前日の8日にはSKケミカル蔚山(ウルサン)工場のC重油タンクで酸欠による事故が発生した。タンク清掃とコーティング作業をしていた作業員ら3人が窒息し近くの病院に搬送された。この日午後には冷媒ガス会社のフソンでボイラーが爆発し、1人が死亡し4人が負傷した。
セウォル号沈没事故後、「安全管理」に対する社会的関心が高まっているが、産業現場では大小の事故が絶えず続いている。昨年だけで1929人、1日平均5.3人が労働災害で命を失った。減り続けていた労災死亡者数は2011年からは再び増加傾向に転じている。雇用労働部によると労働者1万人当たり事故死亡率は0.73人(2012年)で、ドイツの0.18人(2008年)、日本の0.22人(2010年)など先進国に比べ3倍以上高い。労働災害にともなう年間損失額は19兆2546億ウォン(約1兆9156億円)で、自動車138万台の輸出額に相当するほどだ。ソウル科学技術大学のイ・ヨンソプ教授とキム・チャンオ教授は「この2~3年間に発生した安全事故は残念なことにまったく同じ人災だ」と診断した。