<韓国旅客船沈没>海中に入れたが…失敗に終わったダイビングベル(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.02 09:32
1日午後2時20分、全羅南道珍島郡彭木(ペンモク)港。バージ船1隻が徐々に埠頭に近づいた。アルファ潜水技術のイ・ジョンイン代表(62)と同社の「ダイビングベル(diving bell、潜水鐘)」を載せた船だった。バージ船が埠頭につくと、乗っていた行方不明者家族が先に降りた。興奮した表情で大声を叫んだ。「イ代表が行方不明者の家族を馬鹿にした。ダイビングベルが万能であるかのように話したのは誰だ」。
この日未明、ダイビングベルを海中に吊り下ろしたが、遺体を収容するのに失敗した。イ代表はこの日午前3時20分ごろ、民間潜水士3人が乗ったダイビングベルを海に下ろした。10分ほどかけて水深23メートルまで入った。潜水士がダイビングベルから出て、セウォル号の船体4階後部の客室の入口に向かった。しかし入口で行き詰まった。すでに設置された、船体内部の道を表示する綱の「誘導ライン」とふとんやバッグなどが入口をふさいだ。さらにダイビングベルが水の流れで揺れ、バージ船とダイビングベルをつなぐ線が船体の外に出た誘導ラインと絡まった。潜水士は絡んだ誘導ラインを切った。しかしこれ以上の捜索作業は難しいと判断し、海中から出ることにした。
水面上に出てきた時間は午前5時17分。水中には約2時間いた。このうち45分間は海中に入ったり出たりする時間だ。遺体は収容できなかった。イ代表はダイビングベルが水の外に出した後、中央日報との電話で「投入する人(潜水士)がいないため撤収しなければならないようだ」とし「75分間の作業して上がってきたことに意味がある。海洋警察が使用するなら(ダイビングベルを)渡す」と話した。また「政府が代価を支払えば作業を続けるのか」と尋ねると、「そうだ。(お金を)儲けるほどではなくても、現実的(な金額)でなければならない」と述べた。