<韓国旅客船沈没>「潜水30分超えるなというが」…約500人の命をかけた捜索
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.04.25 17:04
水の外は真昼。だが沈没したセウォル号の中では、わずか10センチ先も見通せなかった。22日午後、その中を泳ぎ回った韓国海洋警察庁の特殊救助団潜水要員のペク・デリュク警長(36)の頭に何かがぶつかった。痛みが出てきたが作業を継続して浮上してきた。潜水服を脱いでいるとそばにいた要員が言った。「あ、血が…」。潜水服を着ていたのに額が裂けて医療支援船で8針を縫った。
セウォル号の救助・捜索作業には海洋警察と海軍特殊部隊(UDT)所属のダイバー500人余りが投入された。海洋警察によればセウォル号まで到達して入ることができるロープが6カ所で、同時に入って活動できる人材は12人だけだ。これら12人は酸素がなくなるまで30分程度水中で活動し、次の組と交代する。一度潜水したら艦艇で24時間休むのが原則だ。そうしなければ高い水圧に耐えた身体が回復しない。だが今は原則が守られていない。ペク警長からしてそうだった。まっ暗な水中で何か前にあるものを感じたが、酸素が足りなくなり水上に浮上してきて酸素ボンベを交換し、再び入ったことがある。彼は24日、中央日報との電話インタビューで「不明者家族の気持ちを考えると交代できなかった」と話した。