【時視各角】君のせい、私のせい、船長のせい=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.04.24 10:21
この頃またハインリッヒ法則がメディアでしばしば議論されている。ハインリッヒ法則は、1:29:300の法則とも呼ばれる。大型事故が起きると登場する常連だ。1931年、米国の保険会社職員HWハインリッヒが立証した法則である。彼は5000件余りの実際の事故を分析した。すると大型事故1件が起きる前に、これと関連する小型事故が29件、軽微な事故が300件あったという事実を確認できた。大きな災難が起こる前にはいつも、何らかの信号があるという話だ。逆に考えれば、小さいことに注意を注いでこそ大きな事故を防げるという教訓だ。(キム・ミンジュ、『ハインリッヒ法則』)
10年余り前、畑村洋太郎・東京大教授はハインリッヒ法則を失敗学と組み合わせた。彼は著書『失敗学のすすめ』で、小さな事故や小さな異常兆候を見逃さずに失敗を繰り返さないこと、それが経営者の責任だと指摘した。彼の失敗学は、日本列島に大きな影響を及ぼした。彼は三豊(サンプン)デパートの崩壊をこの法則で遠回しに説明したりもした。以後、多くの韓国内の大企業も「ハインリッヒ法則」と「畑村のすすめ」を役員教育に活用した。それでも大型事故が絶えないのを見ると「人間は失敗から学ばない」という言葉が合っているようだ。