【社説】沈没する船から真っ先に脱出した悪い船長=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.04.18 10:56
大型災難では現場の指揮者により被害の規模と様相が変わる。2年前にサンフランシスコの空港で発生したアシアナ航空機着陸事故当時、3人が死亡したが、乗務員の対応で人命被害を最小限に抑えた。船舶事故では船長の役割が決定的となる。大型海上事故だった英タイタニック号の場合、女性と子どもの生存率はそれぞれ70%と50%を超えた。過去100年間の英国船籍の大型海上事故で女性の生存率は15.3%だったが、この事故は例外だった。当時、船長が救命ボートの前に銃を持って立ち、先に乗ろうとする男性を引き止め、女性と子どもを救った結果だ。スウェーデンのウプサラ大学の研究陣が1852年から2011年まで100人以上の人命被害が生じた海上事故を分析した結果によると、こうした大型事故では乗務員の生存率が乗客よりも高かった。生存率は乗務員(61.1%)、船長(43.8%)、男性(37.4%)、女性(26.7%)、子ども(15.3%)の順だった。乗務員が先に助かろうとする限り、大規模な被害を避けることはできない。
今回の「セウォル号」沈没事故では船長や航海士など乗務員が真っ先に脱出した。「乗務員が一番最後」と言いながら乗客を救助したのは22歳の若い女性乗務員だけだった。「その場から動いてはいけない」という言葉を残して乗務員が脱出する間、その指示に従って秩序を守った多くの生徒と市民は今、安否が確認されていない。船が沈没するまでは2時間余り。船長が乗客救助をしていたとすれば、約400人を救出できない時間ではなかった。