【中央時評】渦巻く北東アジア秩序…創意的な外交が切実だ=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.03.31 11:17
より一層心配なのは、みなぎる民族主義の影だ。冷戦の本質はイデオロギー対決だった。しかし今回の事態ではイデオロギーよりも民族主義がはるかに重要な変数として作動した。ウクライナの民族主義勢力が「脱ロシア、親欧州」という旗じるしのもとで親露政権を打倒し、クリミア半島の多数のロシア系住民たちはロシア民族主義への回帰で正面から対抗した。ここにプーチン大統領もやはりロシア民族主義の情緒に訴えてクリミア半島編入を正当化する巧妙な手を選んだ。地政学的な計算と民族主義の誘惑こそがプーチン大統領のきわめて冒険的で野心に満ちた行動を可能にした原動力だった。
冷戦時期でさえも、全体主義共産国家のソ連はもちろん多元主義体制である米国でも国家安保事案を国内政治に活用する事例は珍しかった。しかしクリミア情勢が悪化した原因の1つはまさに関連国の国内政治的な利害関係であった。無能で腐敗したビクトル・ヤヌコビッチ前大統領の権威主義統治と実情がウクライナの危機を触発し、プーチン大統領の介入もやはり政権強化を目標とする国内政治的な計算に従ったものだった。30%にも達しなかった彼の支持率が攻勢的な歩みの後に70%を超えたことがその有力な傍証だ。