アポロ・アントン・オーノは依然として韓国人には憎らしいキャラクターだ。オーノは２００２年のソルトレイクシティ冬季五輪ショートトラック男子１５００メートルで、“ハリウッドアクション”によりキム・ドンソンを失格にさせ金メダルを獲得し韓国人の怒りを買った。オーノは２００２年、２００６年、２０１０年の冬季五輪に出場し金メダル２個、銀メダル２個、銅メダル４個を取ったが、過度な行動とマナーに反するプレーで何度も議論を巻き起こした。

オーノが今回は解説者としてソチ五輪を訪れた。彼は昨年４月に引退した後、米ＮＢＣ放送のショートトラック解説委員として活動している。解説委員として初めての五輪を迎えた彼は毎日ショートトラック競技が行われるソチのアイスバーグ・スケート・パレスとその横にあるトレーニングセンターを訪れ各国の選手のコンディションをチェックしている。

８日にトレーニングセンターで韓国ショートトラック代表チームの訓練を見守ったオーノに会った。

オーノはソチ冬季五輪が「歴代五輪のうち最も興味深い大会になるだろう」と予想した。その中心にはやはり韓国出身でロシア国籍を取得したアン・ヒョンス（ロシア名＝ビクトル・アン）がいた。彼は「韓国、カナダ、米国だけでなくロシアまで実力が上がってきた。目立って浮上するチームがなく簡単には予測しにくい」とした。

しかしアン・ヒョンスの話を切り出すと、すぐにオーノは親指を上げた。オーノはソルトレイクシティ大会で当時高校１年生だったアン・ヒョンスと初めて会った。その後五輪や世界選手権、ワールドカップなど各種国際大会で競争を繰り広げてきた。オーノはアン・ヒョンスに対し、「良い体格と誠実なトレーニング、他の人が持っていない技量まで備えたアン・ヒョンスは多くのショートトラック選手にインスピレーションをあたえる選手」と絶賛した。オーノはアン・ヒョンスの五輪での予想も肯定的だった。オーノは「もし私がギャンブラーなら５００メートルと１０００メートルではチャールズ・ヘムリン（カナダ）やアン・ヒョンスに賭けたい」と話した。オーノは、「私が現役の時に一緒にやってみてアン・ヒョンスの技量がどの程度なのかわかっている。５００メートルと１０００メートルでは本当に強い」と話した。

歴代最弱という評価を受けている韓国チームに対する助言も忘れなかった。オーノは「若い選手が多く、弱いといっても韓国はいつも良い戦略を持ち良い競技をしてきた。トレーニングを見ると選手の状態も良く見える。どの選手も均等に技量を備えているのが韓国チームの長所だ。期待するだけの価値はある」と話した。


【特集】ソチ冬季オリンピック２０１４