【コラム】安重根義士がテロリスト?(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.01.28 09:38
安倍は長州藩の政治的子孫だ。精神的な指導者は尊王攘夷を主張しながら明治維新の中心人物となった吉田松陰だが、伊藤博文、初代総督の寺内正毅が彼の門下生であり、A級戦犯者で安倍の祖父である岸信介が系譜を継いだ。安倍は征韓論と満州征伐論を主張した松蔭の相続者ということだ。安倍とその内閣が安重根の「東洋平和論」とまたぶつかるのは歴史的な必然だ。歴史はしばしば繰り返される。
歴史教育が重要となる理由だ。しかし最近世間を騒がせた韓国史の教科書は、左右派を問わず、安重根関連の記述をわずか一行で終えている。「安重根は、乙巳条約を強要し初代統監を務めた伊藤博文をハルビンで射殺した」(サムファ出版社)、「安重根はハルビンで伊藤博文を処断した」(志学社と教学社)。これがすべてだ。写真にわずかに付加説明があるが、生徒としては「安重根はテロリスト」という安倍内閣の征韓的な主張に条理を立てて反論できない。死刑執行前の関東都督府法院長・平石氏人との面談記録、獄中執筆した「東洋平和論」に接してこそ、アジア連帯を経て世界平和主義に進もうと考えたその雄大な構想を悟ることができる。日本が「東洋平和論」に少しでも耳を傾けていれば、太平洋戦争、原爆、分断のような20世紀の悲劇は避けられただろう。