【時視各角】フライドチキン店と仁川空港=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.09.19 11:32
1軒おきにあるほど多い飲食店。フライドチキン店、のりまき店、ピザ店、サムギョプサル専門店…。看板は随時変化するが業種は相変わらずだ。マンション団地の商店街や路地でよく見る風景だ。退職金をはたいたり銀行から借金して街に出てきた50代のベビーブーマーの疲れた生計現場でもある。不十分な年金、行き詰まった再就職の道のためだれもかれもが飛び込むが、成功どころか借金を抱え込んで座り込む人たちの方が多い。何日か前にウォールストリートジャーナルはチキン店を事例に挙げ、飽和状態の自営業、膨らむ個人負債、貧弱な社会福祉などをまとめて韓国経済の陰として報道した。
これに対し同日、韓国メディアの仁川(インチョン)国際空港スケッチ記事はまったく違う状況だ。秋夕(チュソク)の連休に32万人が海外に行く、飛行機のチケットは売り切れた、あまりにも混雑しており空港に早く行かなくてはならない…。連休に海外旅行に行けるほど余裕ある人たちが結構いるという話だ。
チキン店の気の毒なエピソードと仁川空港の激しい混雑。同じ時代、同じ空の下の風景というにはとても異質だ。所得の二極化が表わした強烈な対比だ。余裕のある人たちは海外で金を使い、厳しい人は使う金がない。だから内需が回復しにくく、企業も国内向け投資は控え目だ。経済では金持ちの貯蓄も必要だが一般大衆の広範囲な消費がもっと重要だというのが如実に表われている。