【コラム】この政府に大胆な人物はいるのか=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.08.28 14:39
さらに大きな問題は、今後もこうした政策の混線が解消されにくいと考えられる点だ。大統領は経済副総理に政策のコントロールタワーの役割を果たすよう要求するが、現在の政策決定方式が根本的に変わるまでは限界がある。経済副総理が政策を調整できる構造でもなく、たとえそれほどの力が与えられたとしても、どの方向に調整するか根拠となる経済運用のビジョンや青写真がないからだ。この政府は最初からこうしたマクロ経済のビジョンと目標を提示しなかった。唯一の数値目標である雇用率70%は、そのようなマクロ目標とビジョンなしには実現できないミクロな課題にすぎない。国民の暮らしが良くなるということは、経済が成長して所得が増えるという意味だ。しかし経済成長に対する目標や青写真なしにどのように経済を活性化し、民生を改善するというのか。マクロ目標がないため散発的に出てくるミクロ政策が衝突したり効力を失い、経済活性化の声がむなしく聞こえる。
経済はマクロ経済の変数(目標)とミクロ経済の行為(政策)が有機的に結びついて作動する。金融・財政・国際収支のようなマクロ政策と規制緩和・中小企業支援・公正取引・税政のようなミクロ政策がお互い影響を与えながら相互作用をする。このような政策間の衝突を防ぎ、政策の効果を最大化するには、政策全体の組み合わせをどうするのか方向性がなければならない。その方向性がまさに成長に対するビジョンであり、青写真だ。この政府にはそのビジョンと青写真がない。こうした状況で大統領が各種相反するミクロ政策に関する注文と指示を出せば、政策の混線と経済の不確実性はさらに深まるしかない。「増税もなく、公約の縮小もない」「(政府案として用意した)所得税制改編案を見直すべき」「(これといった手段がないにもかかわらず)強力な不動産対策を用意すべき」と公開的に指示すれば、長官や首席は誰も何も言えなくなる。公務員はなんとかして対策を作り出す。ただ、そのような対策がまともに作動しないだけだ。