【社説】これが露骨な保護貿易主義でなければ何と呼ぶのか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.08.05 13:25
昨日、米政府が国際貿易委員会(ITC)の旧型iPhone輸入禁止決定に対して拒否権を行使したのは意外だ。ITCの判決に対する拒否権行使は、1916年以降6回にすぎず、今回の拒否権行使は87年のレーガン元大統領以来26年ぶりとなる。驚きを禁じ得ない。米通商代表部(USTR)のフローマン代表は「(拒否権行使は)米国の競争環境に及ぼす影響と米国の消費者に及ぼす影響など、さまざまな政策的考慮に基づくものだ」と主張した。そして標準特許は「公正、合理的、非差別的(Fair, Reasonable, and Non-Discriminatory)」に使用されるべきだとするFRAND原則を名分として出した。サムスン電子のような必須標準特許(SEP)保有企業の特許権乱用を防ぐという意味だ。
我々は米政府に3つのことを尋ねたい。まず、米国は今後も標準特許にFRAND原則を適用する考えかどうかだ。なら09年からサムスン電子から4億ドルのロイヤルティーを受けた米国の特許怪物インターデジタルの標準特許にも同じ基準を突きつけるのが当然だ。一般的に標準特許は他の特許に比べて無効の可能性が低く、技術を具現するために必ず使用しなければならない核心特許だ。アップルがサムスン電子に対して問題視したデザインやユーティリティ特許よりはるかに重要だというのが、産業界の常識だ。今回の拒否権行使はこうした常識を正面から覆した。
2つ目、今回の拒否権行使が「政策的考慮」でなく「政治的考慮」のためではないか気にかかる。ITCの決定が出た直後、米上院議員と移動通信会社はUSTRに「iPhoneの輸入禁止に関し、公益を慎重に考慮することを求める」という書簡を送った。今回の拒否権行使がこうした米国の政治・産業界の流れと関係がないのか疑問を感じる。