マスクは、韓国では比較的馴染みが薄い人物だが、アメリカではアップル創業者の故スティーブ・ジョブズ以来最も創造的な人物に選ばれる。南アフリカ共和国で生まれた彼はペンシルバニア大で経済学と物理学を専攻した。その後スタンフォード大物理学科博士課程に進学するも２日で中退し、事業に飛び込んで９９年インターネット銀行エックスドットコム（Ｘ.com）を設立した。

エックスドットコムは他の会社と合併、オンライン決済システムの代名詞であるペイパル（ＰａｙＰａｌ）を誕生させた。ペイパルは２００２年１５億ドルでイーベイ（ｅＢａｙ）に売れた。

ペイパルの株を１２％持っていたマスクは、この資金で最初の民間宇宙貨物会社スペースＸを設立した。国家が主導していた宇宙発射体市場に飛び込んだスペースＸは、昨年ロケットを打ち上げて宇宙ステーションへの物資輸送に成功した。昨年末には火星に植民地を建設するという構想を発表したりもした。３６０億ドルかけて８万人が暮らせる透明ドーム型の人間居住団地を１０～２０年内に建設、無重力と素敵な風景を経験することができるという構想だ。

２００３年には電気スポーツカーを造るテスラモーターズの創業にも参加し、最高経営責任者（ＣＥＯ）となった。テスラの電気自動車は１０万ドルを越える高価なものだが、注文後３、４カ月待たないと車がもらえないほどアメリカで人気だ。２００６年にはソーラーシティというエネルギー企業を設立し、太陽熱パネルなどを供給して新たな再生可能エネルギー部門に進出もした。今でもスペースＸとテスラモーターズ経営はもちろん製品設計まで担っている。資産価値は４５億ドルに達する。最近ではハリウッドの映画俳優キャメロン・ディアスとの熱愛事実が報道されたりもした。しかし、これからは現在のあらゆる職責から離れ、ハイパーループの構想に没頭するだろうとニューヨークタイムズが伝えた。


ソウル～ニューヨークを２時間…超音速真空列車とは（１）