フェラーリ、夢の車として知られるブランドだ。しかし韓国ではあまり見られない。国内で登録されているフェラーリはまだ４００台ほどしかない。

フェラーリが先月、ソウル論硯洞に従来の清潭洞展示場を移し、拡大オープンした。これに合わせて韓国を訪れたジュセペ・カタニオ・アジア太平洋総括（４５）は「私たちの分析によると、この１、２年間に韓国の高額資産家は大きく増えた」とし「フェラーリにはプラスの信号」と述べた。

世界的なタイヤ企業ピレリでアジア太平洋担当最高経営責任者（ＣＥＯ）などを務め、フェラーリに移ったカタニオ氏は「フェラーリから話を受けて断るイタリア人はいない」とし「サッカー国家代表に選抜されたような感じ」と語った。

カタニオ氏はフェラーリを「車を売る会社ではなく夢を売るところ」と話した。清潭洞展示場も単に自動車ではなく名品ブランド展示場を追求している。イタリアの建築家が建物の内・外観デザインに参加した。シート・ホイールなどを選択し、自分だけのフェラーリを注文するシステムも備えた。

カタニオ氏は「韓国は北朝鮮問題のためいつもクエスチョンマークがついている」と話した。似た経済力を持つ国に比べ、韓国のフェラーリ市場シェアは半分にすぎないということだ。逆にいえば、それだけ成長の余地は大きいという意味にもなる。フェラーリが４人乗り車両、四輪駆動のＦＦモデル、コンバーチブルの４５８スパイダーなど、韓国人の好みと気候に合わせたさまざまな車種を出す理由だ。

フェラーリは今年の生産台数を前年比４００台減の６８００台に決めた。カタニオ氏は「フェラーリには“需要より１台少なく生産する”という戦略がある」とし「１台購入すれば数十年間乗り、子どもに譲ることも少なくない従来のフェラーリ顧客の価値を保護することが重要なため」と説明した。