【社説】朴槿恵、「尹昶重事件」の本質を直視すべき
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.05.14 11:09
朴槿恵(パク・クネ)大統領が昨日、尹昶重(ユン・チャンジュン)前青瓦台(チョンワデ、大統領府)報道官の事件について国民に謝罪した。徹底した真相究明と問責、公職紀綱の確立も約束した。大統領の対国民謝罪は就任後初めてだ。大統領は4月の夕食会で、民主党指導部に長・次官落馬波紋について謝罪している。今回の事件も“問題人物の問題行動”であるため、政権の最大の悩みが人事であることは間違いない。
大統領は「この問題は国民と国に重大な過ちを犯した」と表現した。正しい分析だ。しかしこれは尹昶重という個人の問題で終わるのではない。いくつかの要因がからんでいる。大統領の海外訪問中に報道官がこうした衝撃的な逸脱をするほど、青瓦台の紀綱は緩んでいる。この事件をきっかけに、李南基(イ・ナムギ)首席が指揮する広報首席室内にあった不協和音に関する話が出てくる。今回の事件を大統領に報告するのに26時間もかかった。青瓦台の関係者は“爆弾”のような人物を途中帰国させ、懸案を悪化させた。何よりも大統領は与党内外の反対を押し切って“爆弾”を重用し続けた。
要因が総合的なら処方も総合的でなければならない。まず大統領は「独自人事」を捨てる必要がある。どんな資質が必要か、その人物が上下に融合するかどうか確認しなければならない。秘書室長が意見をまとめて大統領に推薦する方式が効果的だ。広報首席と報道官は糸と針のような関係だ。それでも李南基首席は誰が報道官になるのか全く知らなかったという。大統領は限られた“選球眼”にこだわらず、候補人物に関する評判を聞く耳を持たなければならない。そうしていれば“尹昶重惨事”はなかったはずだ。