【コラム】日本漫画『やさしくしないで』に見る“乙”としての生き方
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.05.10 14:54
大学卒業後しばらく身を置いた広告会社の上司は、乙の“神”のような方である。広告主のどんな無理な要求にも楽しく柔軟に対処してやり遂げる姿に感服した新入社員に、彼はある日1枚のメモを渡した。“乙としての生き方”。詳しい内容は記憶から消えたが、忘れられない一節がある。「業務上、乙として生きていく自分と『本当の私』を混同しないこと」。
皆は甲を望むというが、時には乙として生きるのが気楽な人もいる。日本の作家・松山花子の漫画『やさしくしないで』(アニメブックス)の主人公・優一がそうだ。彼は持って生まれた気の弱さと優しさで、誰にでも親切をほどこす天使のような人間だ。もしや自分のせいで相手の心が痛むのではないかと悩んでまた悩む。ところで彼の行き過ぎた配慮は、不本意にも相手方に妙な“終わり”を残す。