【噴水台】借金だらけの韓国人に人気グループの”価格一任制”は通じたか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.04.08 15:09
「There’s no such a thing as a free lunch.(この世に、タダのランチというものはない)」。経済格言の中でこれほど有名な言葉があるだろうか。ノーベル経済学賞受賞者であるミルトン・フリードマンが好んで使い、経済学者はもちろん一般にも親しまれた。実生活でも広がった。デパート試食コーナーでつまむハムひと切れ、リンゴひとかけ、どれ一つ本当の“無料”はない。食べるとわけもなく申し訳なくなる。恩恵を受けたり借金をした感じがする。なぜだか一つ買わなければならないようだ。訪問販売会社はこうした心理をずっと前からマーケティング戦術で活用してきた。ハムひと切れの費用は結局製品価格に上乗せする。経済学者があまりにも長い間こうした真実を暴いてきたために今では消費者も無料の真実を皆知る。「どんな経済体制も、どんな商品も無料システムで回っていくことはできない」という事実を。
この古い格言を、韓国のロックバンド『チャン・ギハと顔たち(チャン・ギハワ オルグルドゥル)』が実験台に上げた。舞台は“ただのランチはある”と信じるインターネット音源市場。新曲を出しつつ価格を消費者が決めるようにした。名付けて『正直に払ってダウンロードしよう:白紙小切手プロジェクト』。先月29日に新曲『チョッタ マラッネ(いいところで終わるね)』をデジタル音源で出して、チャン・ギハはこのように宣言した。「私たちの歌を聞いて、『ああこれイイ感じだな』と思えば何万ウォンでも百万ウォンでもいい。『歌は良いことは良いけど、懐具合がちょっと…』というのなら、自分で考えてお金を払って、曲をダウンロードしていってください」と。理由を尋ねてみた。チャン・ギハ側は「音源の主人公(著作権者)に収益を戻そうとの趣旨」といった。このようにして入ってきたお金はレコード会社と分ける必要がない。韓国の音源市場では、創作者の持分はまだ10%にもならない。歪曲された流通構造のせいだ。こうした不条理をただすという話だ。
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