【コラム】さらに誇らしいコリアのために(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.11.22 11:39
世の中にこんな国はないという。大統領選挙まで1カ月も残っていないのに候補さえ確定していないこんな“バナナ共和国”のような国がどこにあるのかと口角泡を飛ばす人もいる。だが、それがそれほどの大したことなのか。どうせこらえているのだ、あと何日か待てば対戦表が確定し、その時から“用意ドン”で政策と公約、人物検証を急いでやればいい。何でも短時間に片づけるのが誇らしい大韓民国の伝統で特技ではないのか。
年を取ればだれもが愛国者になるというが、私はこのところ本当に韓国が誇らしい。若いころに私は大韓民国の国民という事実が恥ずかしかった。いわゆる先進国というところに行き帰ってくる飛行機が韓半島上空に入れば胸が苦しく気が重かった。空から見下ろした灰色の山河とその中で苦しみながら生きる韓国の日常がそれほどみすぼらしく暗鬱に見えた。昔の話だ。
何日か前に国際会議のためにカンボジアに行ってきた。早朝に仁川(インチョン)空港に降り家に帰りながら思わず胸がジーンとして、涙がにじんだ。世界のどこに出しても恥ずかしくない仁川空港と、自由奔放にそこに出入りする数多くのコリアン、すっきりと伸びた空港高速道路ときれいに整頓された周辺の風景を眺めながら、大韓民国の旅券を持っているという事実で心が満たされた。正直なところ最近は米国や欧州のどこへ行っても格別な感動はない。