【社説】ウォン高の動き、避けられないなら活用すべき
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.10.30 12:02
低成長基調が本格化する中でウォン上昇の勢いが尋常でない。7月以後ドルに対しウォン相場は今月26日までで4.3%上がったことがわかった。この期間にアジア主要国の通貨も上がったが、ウォン高の勢いが目立つ。ドルと英国ポンド、ユーロ、日本円などはむしろ通貨価値が下がった。ウォンの急激な上昇は韓国の輸出企業の採算性と輸出品の価格競争力低下につながる。景気低迷が長期化する兆しを見せる中、これまで韓国経済の支えとなってきた輸出まで打撃を受けることになったのだ。輸出はすでに世界的な景気低迷の余波で減少傾向に転じている。韓国の輸出品に対する国際需要が減った上に価格競争力まで失うことになり踏んだり蹴ったりだ。
問題はウォン上昇の勢いが当分衰えそうにないということだ。ドルに対するウォン相場は25日に心理的抵抗線とされていた1ドル=1100ウォン水準が崩れてから連日ウォン高傾向が続いている。輸出企業は厳しい状況になり、一部中小輸出業者は採算性悪化に悲鳴をあげている。このようにウォン高ドル安が進んだのは、米国と欧州をはじめとする主要先進国が景気浮揚を目的に莫大な資金を市場に放出したためだ。いわゆる量的緩和措置が韓国をはじめとするアジア各国の通貨を引き上げる副作用を生んでいる。米国と欧州から放出された資金が相対的に経済実績が良いアジアの新興国に集まり、これらの国の通貨の上昇を誘発したのだ。先進国が市中資金の回収に出ない限り韓国をはじめとするアジア新興国への外貨流入は続く見通しだ。ウォン高傾向は相当期間続くだろうという観測が出てくる理由だ。