【コラム】「インスタント憤怒」の時代=韓国(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2012.10.02 13:17
これらインスタント憤怒の動力は、言うまでもなく文字メッセージやソーシャルネットワークサービス(SNS)だ。その力は時には、いや頻繁に、予想もできない、それだけに理由も説明できない方向へと向かう。
先日オランダのある小さな都市で起きた騒動がこうしたケースだ。10代の女子学生が自分の誕生日パーティーに招待する文章をフェイスブックに載せると、全国から約3000人が集まった。女子学生の誕生日を祝いに来た人たちはすぐに「都市を襲おう」と叫ぶ暴徒に変わった。人口1万8000人の小さな都市は略奪と放火・破壊の犠牲になった。
インスタント食品の愛用者がそうであるように、インスタント憤怒も若者と持たざる者のものだ。それだけにブーメラン効果はより危険で激しい。独裁者カダフィを追放した武装勢力が、今では民主化の障害になっているリビアの逆説がそれを雄弁に語っている。方向は違うが、中国政府が反日デモを自制させたのも、それが反体制デモにつながる逆風を懸念したからだ。