【グルメ】日本にも紹介されたソウル広蔵市場“麻薬キムパプ”を大解剖(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.10.25 17:10
9月15日夕方、パリと東京で活動しているファッションデザイナーのキム・ジヘ氏が久しぶりに韓国に帰国してパーティーを開いた。建築家のマ・ヨンボム氏が改造したソウル嘉会洞(カフェドン)の韓屋に、映画監督のイ・ジュンドン氏、俳優のオ・グァンロク氏、画家のクム・ドンウォン氏、舞踊家のキム・ヒョンナム氏ら有名文化人100人余りが集まった。文化や芸術が話題となるこの席で、とりわけ人気を集めた食べ物があった。それが“麻薬キムパプ(のり巻き)”だ。ソウル鐘路5街(チョンノオガ)の広蔵(クァンジャン)市場で売られている親指ほどの大きさの小さなのり巻きだが、“麻薬キムパプ”と呼ばれている。鼻にツンと来る黄色いからしソースと薄く切ったタクワンを添えて食べた。1人前が8個で2500ウォンというこの“麻薬キムパプ”がその晩の話題の中心だった。「これといって特別なものが入っているわけでもないのに、どうしてこんなにおいしいのだろう」「麻薬のように止められない」…麻薬キムパプの元祖を訪ねることになった理由だ。
元祖麻薬キムパプの店は広蔵市場の布の反物路地にあった。鐘路4街(チョンノサガ)から乙支路4街(ウルチロサガ)に続く一方通行の道路の中間に位置する“衣類卸売商店街”の入口から一番奥まったところにある。似通ったのり巻きの店が5、6軒連なっているが、一様に橙色で“元祖麻薬キムパプ”の看板を掲げている。しかし麻薬キムパプの真の元祖は、40年間同じ場所を守り続けているイ・サンフンさん(78)の“母子のり巻き”だ。ことし2月、広蔵市場の食べ物横丁に出店した麻薬キムパプ2号店が、唯一、暖簾わけされた店だ。祝祭日だというのに、のり巻き屋を訪れる足が絶えなかった。のり巻きを切って包装するユ・ヤンスクさん(51)とユ・ジプンさん(43)姉弟の手は、スピーディーに動く。2人はイ・サンフンさんの1男3女のうち、1番目と4番目だ。