【コラム】第2の北方政策が必要だ(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.06.29 17:25
代表的なプロジェクトが「長吉図計画」だ。 吉林省の省都の長春と過去の省都の吉林、そして豆満江沿いの図們を一直線に結び、満州の大々的工業地帯に育成するという計画だ。 この計画の実現のために必要なのが東海(トンヘ、日本名・日本海)進出だ。 満州から鉄道や陸路で遼寧省南端の大連を通って海上につながる物流路線は、すでに飽和状態であるうえ経済性が落ちる。 これを解決できるカギが東海海上路だ。 吉林省東側の延辺朝鮮族自治州の主要工業都市である図們または琿春から羅先(ナジン)・先鋒(ソンボン)や清津(チョンジン)など北朝鮮の貿易港を通って東海につながれば、物流コストと時間を大幅に節減できる。 金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の先月の訪中をきっかけに本格化している朝中経済協力の核心ポイントがこれだ。 鴨緑江(アムノッカン)沿いの北朝鮮の黄金坪(ファングムピョン)特区開発と交換をする形で、中国は羅津・先鋒と清津を通った東海進出権を獲得した。 琿春と羅先特区をつなぐ道路の改補修工事が今月初め着工され、図們と清津をつなぐ線路の改補修工事も進行中だ。
豆満江の端にある中国辺境の村・防川。 望海閣からは北朝鮮・中国・ロシアの3カ国を眺めることができる。 「3カ国の鶏の鳴き声が聞こえるところ」という言葉を実感する。 豆満江を境界につながった北朝鮮と中国の国境は防川で突然終わる。 東海までの残りの豆満江区間はロシアと北朝鮮が分け合っている。 豆満江の最後のところで中国がふさがっているのだ。 このため中国は北朝鮮を通っての東海進出を虎視眈々と狙ってきた。 その夢がついに実現することになったのだ。 中国の東海進出は経済的次元を越えて戦略的含意を持つ。 東海を往来する中国船舶の保護は結局、軍事的問題に帰結するしかない。 ロシアと日本が緊張している。
古朝鮮、高句麗から勃海にいたるまで韓民族の境域だった満州は、歴史的に北東アジア変動の震源地だった。 満州の経済的・戦略的価値に目を向けたロシアと日本は戦争まで繰り広げた。 北方ノイローゼを抱えている中国としては満州の安定は死活的利害がかかった問題だ。 中国政府が東北3省の開発に熱を上げる理由だ。