【グローバルアイ】先覚者と指導者
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.06.07 12:04
「当選者様。私が折り入って差し上げる建議があります。これは多分大韓民国しかできないことです」。
1998年2月9日、ソウル・汝矣島(ヨイド)の国民会議総裁室。政治部記者時代だった。当時41歳の孫正義ソフトバンク社長が次期大統領に当選した金大中(キム・デジュン)氏にいきなり話を切り出した。「何ですか」。
孫社長の提案は超高速インターネット通信網を3年間全国民に無料で開放しようというものだった。韓国の若者たちが先を争ってベンチャーと革新的創業をできるようにしようとの趣旨だ。金氏が問い直した。「無料ですれば事業者は何が残るのか」。孫社長は待っていたかのように説明を続けた。「それを国家政策としてするのです。政府が一定予算を策定して事業者に無利子で融資し、3年後にサービスを有料化して事業者に利益が出れば返済を受ければいいのです。最近のようにインターネット情報通信網使用料が高ければ若いベンチャー事業家は座り込んでしまいます。3年間思う存分使えるようにすれば考えることもできなかった産業が次から次へと生まれるでしょう。世界のどの国もこれをできません。これを韓国が最初にしてこそ米国・日本に追いつき情報化革命を成し遂げる先頭国家になります」。