【噴水台】買い占め
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.04.11 17:35
17世紀のオランダでチューリップの買い占めが発生したことがある。 16世紀半ばトルコから入ったチューリップが富の象徴と見なされた時だった。 高価なチューリップの需要が増え始め、貴重品種であるほど無条件にお金になるという認識が広まった。 結局、誰もがチューリップを購入し、縞もようがある「センペル・アウグストゥス」という品種は大工の20年分の収入、家1軒の価格となった。 さらには天文学的な価格のチューリップ球根を玉ネギと錯覚して食べてしまった船員は、激怒した家主によって告訴され、数カ月間の刑を受けたりもした。 天井知らずに値上がりしたチューリップはある日、突然に買う人が途絶えた。 これに驚いた投機者は一斉にチューリップを売ろうとし、当然ながら価格は暴落した。 投機の度に引用される「チューリップ・バブル(Tulipomania)」の顛末だ。
買い占めは天災地変などの突発状況で物の不足が予想される時も発生する。 地震・洪水は言うまでもなく、21世紀に入る瞬間コンピューターの日付認識エラーですべての機械が故障するというY2K終末論が広まった時も、水と非常食糧、ガソリンに懐中電灯までが品切れになった。 2008年に米国でバラク・オバマが大統領選挙で勝利すると、買い占めが発生した。 オバマ大統領が銃器の所有を禁止するという予想のためだった。 こうした買い占めはたいてい誤った判断に付和雷同までが重なり、悲喜劇となるものだ。 これをめぐりチャールズ・マッケイという英国の言論人は著書『狂気とバブル』でこのように説破した。 「人々は集団で判断し、あっという間に愚行に走る。 半面、過ちから目覚めるには多くの時間がかかり、一人ずつ何が過ちかを悟る」。