大統領選を20余日後に控えてフランス政界で選挙ムードが高まっていた07年3月27日。 2位のロワイヤル候補が先頭のサルコジ候補を追撃しているところに大きな変数となる事件が起きた。 パリ北駅でアラブ系移民者と警察が大規模な衝突を起こしたのだ。
この駅は普段から公然と暴力を行使するアラブ系青年の拠点だった。 ここで無賃乗車をしようとしていたアラブ系青年らがこれを制止する駅務員を集団で殴打したことで事件は始まった。 警察が出動すると、普段からこの付近をうろついていた数百人の青年が集まった。 青年らは警察に対しても暴力を加え、地下鉄構内のものを片っ端から壊していった。 地下鉄も止めた。 追加兵力が到着した後も乱闘劇は続いた。 夜が明けてようやく解散したが、移民者社会は大きく揺れた。