【社説】「チャン・ジャヨンさん事件捜査」で現れた歪んだ社会像
「母の法事の日にもお酒の接待をしなければならなかった上、呼ばれたらいつでも出なければならなかった」という。先月7日に自殺した女優のチャン・ジャヨンさんの芸能人仲間が警察で述べた故人の悲惨な生前の様子だ。警察は昨日、自殺事件中間捜査結果を発表し、チャンさんが「素手とペットボトルで暴行を受けたが、届け出ることはできなかった」という記録も残したと明らかにした。胸が痛み、怒りがこみ上げる。
警察の発表を見れば、結局かわいそうな人は故人となったチャンさんだけという感じだ。警察自らも「捜査に限界があった」と告白したように、死亡したチャンさんと日本に逃避した芸能企画事務所の前代表に事件の核心疑惑を押しつけて警笛だけ鳴らした格好になった。「地位を問わず原則どおり捜査する」と強調した警察が、その意志を守ったと思う人はどれほどいるだろう。被疑者の企画会社の事務所を遅れて家宅捜索し、捜査対象者たちの実名を明らかにすると言っても、その数時間後にまた変更するなど、じたばたしていたときから予想された結果だった。インターネットを通じて事実確認もせずに流言ばかり騒々しく出回ったが、警察はそれに乗じていなかったと自信を持って言えるか。