◆景気浮揚ｖｓ金融規制＝米国と欧州は経済危機の解決策でも見方の違いは明確だ。米国は景気浮揚が急務だとみる一方、欧州は無節制なウォール街の金融機関が危機を招いただけに強力な国際金融監督機関の設立が必要だとの立場だ。米国は欧州が要求する国際金融監督機関の設立には同意していない。規制強化が米金融機関の活動を制限する可能性があるためだ。Ｇ２０首脳に配布された声明書草案は２兆ドル（約２７７０億ウォン）規模の景気浮揚案を規定している。しかしここには各国の既存浮揚案が含まれており効果は制限的だ。ドイツ・フランスなど欧州各国は財政赤字を国内総生産（ＧＤＰ）の３％以下にするという条件のため追加の景気浮揚には難色を示している。結局、オバマ大統領も各国に新たな浮揚策を出すよう要請する代わりに、「必要な措置を取る」という宣言的な文言を受け入れるものとみられる。

◆新興経済国のＩＭＦでの発言権強化＝中国・インド・ロシア・ブラジルなど新興経済国は、高まる国際的位置づけに見合うようＩＭＦでの影響力を強化すべきと主張している。ＩＭＦに出資金を多く出している米国や欧州がＩＭＦを意のままにしていることをこれ以上認めないということだ。ガイトナー米財務長官はＧ２０財相会議で、「米国は世界銀行総裁を独占しない。欧州もＩＭＦ事務総長の座を放棄すべきだ」と述べた。しかし欧州はＩＭＦの出資比率変化に反対する。新興経済国にＩＭＦの出資を拡大させればそれだけ欧州の出資比率が下がる。欧州はＩＭＦ出資金をいまの３倍水準の７５００億ドルに増やそうという米国の計画にも反対している。それだけ欧州の不安が増えるためだ。
Ｇ２０首脳「低迷する景気回復に２兆ドル投じよう」（１）