来年の韓国経済はマイナス成長になるかもしれないという懸念が提起されている。世界経済の後退が予想よりも早く深刻に進んでいるためだ。主要国はすでにマイナス成長に入っている。主要先進国の成長率は今年第４四半期からマイナスになることが予想されているが、実際には第３四半期からマイナスを記録している。特に米国は第３四半期の成長率がマイナス０．４％を記録したのに続き、第４四半期にはマイナス６％まで落ち込むとの見通しが出ている。景気後退の速度が速いのはもちろん、深さも予想よりはるかに深いという話だ。国際通貨基金（ＩＭＦ）が第２の大恐慌の可能性さえも提起しているのも無理はない。

世界経済の低迷が深刻化すれば当然、韓国経済の成長率もより下がるしかない。李明博大統領は２４日、「来年のプラス成長が目標」と述べた。来年の成長目標を３％とした政府の発表とは距離がある発言だ。政府が策定した３％の成長率が政府と国民の努力を前提にした目標値という点を考慮すると実際の来年の年間成長率は２％にも届かない可能性が大きい。韓国経済が来年にマイナス成長するまでに墜落する可能性は小さいが、当初予想よりはるかに苦しくなるのは明らかにみえる。李大統領もそのような可能性を念頭において警戒心を示したものと解釈できる。

事実、いまは来年の成長見通しの高低をめぐってあれこれ言っている段階ではない。経済は苦しくなっており、予想よりさらに悪化するだけ悪化しよくなる可能性はない。世界経済がすべて奈落に落ち込んでいるときに韓国だけその波を避けられる力はない。できることはその波の衝撃をできるだけ抑え、波に飲み込まれないよう備えることだ。まったく予想できない災害なら手の打ちようもなく襲われるしかないが、予告された災難なら備えをどうするかにより被害をいくらでも少なくできる。いまや予告された景気減速の波が予想より早く目の前に迫り始めた。いまは全国民が力を合わせて防波堤を整備し砂袋を積むべきときだ。