オバマブームがある程度落ち着いた。 今はオバマ氏の当選の意味について、われわれの立場で考える時だ。 オバマ氏の当選が歴史的な事件だという点を否定する人はいないだろう。 「オバマ氏はアフリカ出身だ」というアフリカ人から、「バラク・フセイン」というムスリム予言者の名前にちなんだオバマを排斥できないイランの根本主義者にいたるまで、オバマ氏は汎地球的な支持を受けた。 米国は最近になって、道徳的な名分を持つ世界の指導国よりも力に依存しようとする帝国に堕落している、という非難を受けた。 指導国になるには軍事力・経済力だけでなく、国際的に良いイメージを与える文化、国際世論の尊重などソフトパワーが必要だが、ブッシュ大統領以降の米国はこうした点を無視してきた。 国際的な協力よりも一国主義、対話よりも武力を前面に出している、という非難を受けた。 すべての国家がオバマ氏の当選を喜んだのは、米国が変化するという期待があったからだろう。
米国は誕生から夢を与える国だった。 旧ヨーロッパが絶対王政の中でさ迷う時、米国の建国の父らは自由と平等、そして人間の尊厳を前面に出して国を建てた。 米国は歴史の中で道に迷う度に、この建国の夢を追いながら本来の道に戻ったりした。 オバマ氏もこの‘夢’を強調して当選した。 その夢を追って米国は今よりもよい国になっていくはずだ。 これは世界のためにも望ましいことだ。 それなら、今後、世の中は平和になるだろうか。 アルカイダやウサマ・ビンラディンもテロをやめるだろうか。 北朝鮮は核開発を放棄して世界秩序の中へ復帰するだろか。 反米の時代はもう終わったのだろうか。 残念ながら、私はそう思わない。