凍り付いて入る国際金融市場にわずかながら雪解けの兆しが見えている。銀行同士で資金を融通する際の金利が下がっており、米国債にばかり資金が集まる極端な安全資産志向も少しずつ緩和している。欧米など各国政府が銀行に大規模な公的資金注入を決め、銀行間の貸付も保証するなど‘カンフル剤’の効果が徐々に現れているのだ。ここに米国が大規模な景気浮揚策を追加するという話も伝わり、20日のニューヨーク証券市場ではダウ指数が4.7%の急騰となる9200ドルを回復した。しかし世界の金融市場に温もりが広まるにはある程度の時間がかかるというのが専門家の予想だ。
米ドルを3カ月間借り入れる際に適用されるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は20日に4.06%となり、先週末に比べ0.36%下落した。1日の下げ幅ととしては今年1月以降で最も大きかった。21日も下落傾向は続き、3.83%まで下がった。LIBOR金利は国際金融市場で銀行間貸付の基準金利として使われている。この金利が下がったということは資金市場の冷え込みが緩和されたというシグナルだ。また20日は米国債(6カ月物)に対する需要が4月以降で最低となり、国債価格も急落(利回りは急騰)した。