北朝鮮関連問題をめぐる政府主要当局者の軽薄な発言は昨今のことではない。もう少し深く考えてみれば控えるべきだった発言が相次ぐから気がかりだ。金正日(キム・ジョンイル)北朝鮮国防委員長の重病説が浮上したときに出た「歯みがきができる程度」という青瓦台(チョンワデ、大統領府)高官の発言が代表的だ。間違っていれば言うまでもないが、たとえ事実だとしても、北朝鮮に対する情報源の正体が発覚するかもしれないという点から、深刻な問題を内包している発言だった。
政府としては当然、これを他山の石として注意を払うべきだったが、そうではなかった。今度は李相熹(イ・サンヒ)国防部長官だった。今月、米ワシントンで行われた第40回韓米安保協議会(SCM)の記者会見で、(金委員長が)面白がっているかもしれないから「金委員長の健康に行きすぎた関心を示してはならない」と述べた。また「そうした関心で、金委員長に悪いクセがつくかもしれない」と付け加えた。基本的に思慮深くない上、政府の論理と合わない発言だ。