世界各国の緊急処方により金融危機は鎮静化している。しかし本当の苦痛はこれからだ。実体景気の沈滞という‘さらに手強い相手’が待ち受けているためだ。金融危機から波及した実体経済の沈滞はすでに米国を始め、欧州・日本など全世界に広がっている。
◆本当の問題は景気沈滞=米国では金融危機の余波で富裕層まで財布のひもを締めてしまった。百貨店チェーンのJCペニーの9月の売り上げは、前年同月比で12.4%も減少した。生産と消費が落ち込んだことで雇用も減少するという悪循環も起きている。9月の雇用(農業除く)は15万9000人が減少し、過去5年間で最大の減少幅を記録した。