国連安保理の対北朝鮮制裁決議案とイラク戦につながった対イラク決議はどう異なるか。最も大きな違いは、対北決議案(決議1695号)には、武力制裁の根拠となる「国連憲章第7章」が採用されていないとの点だ。
02年11月8日に採択された対イラク決議(決議1441号)には憲章7章に関連した内容が含まれた。「国連憲章7章のもと行動する」との部分がそれだ。米国と英国はそれを根拠に翌年3月、イラクを攻撃した。今回、憲章第7章を採用しようという日本の主張に、韓国政府と中国・ロシアが一緒になって反対したのも、武力動員の可能性を示してはならない、という判断のためだった。