【コラム】歌手を越えて「防弾ワールド」を作り出す(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.09.06 14:11
このような情熱的なファン層が維持・管理される動力は2つだ。まず、デジタル遊び文化だ。歌手PSY『江南(カンナム)スタイル』の成功にリアクションビデオが決定的な役割を果たしたのは良く知られている。音楽を聞いて反応する姿を自らユーチューブに撮影して掲載する遊び文化だ。韓国より欧米に圧倒的に多いこのリアクションビデオの相当数がK-POPだ。このようにデジタル時代の文化消費は単にコンテンツ自体の消費にとどまらず、受容者がコンテンツで2次加工をして共有する参加型遊び文化で行われるが、防弾はこれにSNSなどを通して日常を公開し、音楽以外の「遊び道具」を積極的に提供した。
この音楽が一つのストーリーで構成されたという点も重要だ。今回連続してチャート1位に上った2つのアルバムは『LOVE YOURSELF起-承-轉-結』シリーズの「轉」と「結」に当たる。テーマだけが連作でなく、歌詞やミュージックビデオのイメージ、メンバーのキャラクターが精巧につながっている。ファンたちは歌詞やミュージックビデオ映像を見ながら隠し絵探しをするかのように、その意味を解釈して「トクリョク(オタク力)」を誇示しながら「遊ぶ」。インターネットにはファンたちの解釈動画があふれている。「イプトク(オタクになる)」といえば、全体の音楽世界を理解するために過去の音楽まで探して聞きながらヒット数を上げる。このような遊び文化が可能になるよう、音楽消費が主にユーチューブのプラットホームで行われたメディア環境も大きな役割を果たした。このように形成された「防弾ワールド」は個別単位の音楽を越えて音楽全体に、またゲームなどその他のジャンルに拡張される。