【コラム】中国警護員の韓国記者暴行…暴力を「淡々」と受け止めろとは
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.01.19 08:36
毎日のように大型ニュースが発生する世の中では1カ月前のことはもう古くなっている。取り上げられる機会もなく忘れ去られる。昨年12月14日に発生した中国警護員の青瓦台(チョンワデ、大統領府)写真記者暴行事件もその一つだ。そのことを想起させたのは10日の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の新年記者会見だった。文大統領は「大統領支持者が政府の政策に対する批判記事に過激な書き込みをしている」という質問に対し、「私より多くの非難コメントを受けた政治家はいないだろう」とし「記者も淡々と考えればよいのではないかと思う。あまりにも敏感になる必要はないのでは」と述べた。
他国の国賓級首脳に随行する記者に現地治安関係者らが暴行を加えたのは国際社会で前例を探すのが難しいが、自国民の一部が相手国の加害者でなく暴行被害者を猛烈に非難するのも珍しいことだ。暴行を受けた2人の記者について尋ねてみた。鼻骨と眼窩の骨折という重傷を負った毎日経済新聞のイ記者(45)は手術の20日後に退院したが、会社に復帰できずにいる。家族と離れて慶尚南道密陽(ミリャン)の寺で療養中だ。深刻なトラウマで眠れず、目まいがある。外部との電話を断って過ごしている。精神科の治療を受ける時だけ家族に会うという。後遺症で味覚・嗅覚の90%を失った。料理本「ダッチオーブン」を出し、ブログに子どもと一緒に作る料理も載せていた記者だった。会社の同僚は心配していた。
もう一人。中国警護員によって投げ飛ばされて胸椎をけが(微細骨折)した韓国日報のコ記者(52)は2日から青瓦台担当記者に復帰した。「現場を追う写真記者にけがはよくあることだが、大統領の海外訪問行事では想像できないことだった。前日から公安が荒々しく制止しておかしいと思っていた」。コ記者が物理的な暴行より苦しんだのは激しい非難だったとした。