不況でも止まらない物価上昇…韓国政府の所得主導成長を強打
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.07.30 07:08
物価が韓国・文在寅(ムン・ジェイン)政府の核心経済政策である所得主導成長を脅かしている。農産物、外食費、ガソリン代などの価格が全般的に上昇を続けている。猛暑や原油価格の上昇に加え、最低賃金引き上げが複合的に作用した結果だ。利益が増えても物価が急騰すれば実質所得の底上げを図ることは難しい。ただでさえ景気不振という状況で、物価まで所得主導成長の足を引っ張ることになり政府の悩みは深まるばかりだ。
韓国銀行は29日、政府が事実上管理している電気・水道・ガス料金などを除く物価上昇率が、今年第2四半期は2.2%だったと明らかにした。これに先立ち発表した同時期の消費者物価上昇率は1.5%だった。このような数値とは裏腹に、国民は急騰する物価に悲鳴を上げている。韓国農水産食品流通公社によると、1カ月前と比較してホウレンソウは98%、高冷地ハクサイは80%ずつ価格が上昇した。猛暑のためだ。ソウル可楽洞(カラクトン)にある農水産物市場の卸売業大手、デア青果のキム・ミョンベ企画チーム長は「猛暑のあおりを受けてハクサイや若大根、ブドウなどの物量が例年より50~30%減った」とし「価格は週に20~30%ずつ上昇している」と話した。
原油価格の上昇も物価を引き上げている。年初に1バレル当たり60ドル台前半だった国際原油価格(ドバイ原油基準)は、5月に74ドルまで上昇し、6月以降も70ドル台前後の高い水準を継続している。この影響で、ソウルのガソリン平均価格は、29日には1リットル当たり1697ウォン(約169円)で1700ウォン目前まで迫った。全国平均価格も1612ウォンで、2015年以降、最高値となった。